TOP | Society | Haworthia | Blog | Journal | Cultivars | BBS



 ■ ハオルシア研究 21号 p.18 「パリダとレテキュラータ」 補足説明


H. pallida ‘Gozira’ 23 「ゴジラ」23
 大桑氏「ゴジラ」は5~6個体あり、いずれも非常に大型単頭性で鋸歯が大きい。まれにしか子吹しないのでほとんど普及していないが、パリダの最優品と思われる。

 大型で鋸歯が荒いだけでなく、斑紋も大きくて美しいが、写真の株、No. 23はそのうち特に斑紋が鮮明で美しい。

 なおH. pallidはルテオロゼアとかヘルバセアとか呼ばれている植物の正名である。ルテオロゼアは後位異名、ヘルバセアはまったくの誤名である。詳細はハオルシア研究18号の12~14ページ、あるいはより詳細にはAlsterworthia Int.の特別号No. 9を参照されたい。


H. ‘Tinker Bell’  「ティンカーベル」
 レテキュラータには非常に透明感の強い葉を持つものがあり、本品種はそのうち特に大型で透明感の強いもの。チェコの趣味家が栽培していた。半透明の淡い色調はピーターパン物語の妖精、ティンカーベルを想起させる。リビダなどと同じく、非常に美しい品種だが、年に数個体子吹するので、いずれ普及されるであろう。

 なお、分類的にはRooibergの群落のものと思われ、この群落はすべてがこのような半透明の葉を持つので、あるいは新種として区別すべきかもしれない。ただしRobertson地方には同じような半透明の葉を持つH. reticulata 様植物が他にもあり、それらとの関係をさらに調べる必要がある。


H. pallida ‘Shiroi Akuma’  「白い悪魔」
 カクタスニシから発売されたものだが、産地などは不明。「ゴジラ」よりずっと小型だが、刺は非常に白く大きく目立つ。肌色も白いので、全体として非常に白っぽく見える。「ゴジラ」などと掛け合わせたら、白くて荒くて大きな、素晴らしいパリダが作出できよう。


H. pallida ‘Stegosaurus 「ステゴザウルス」
 川東氏栽培品。産地はおそらくBosfonteinで、そのうち特に強刺の個体と思われる。H. reticulata も同様であるが、BosfonteinのH. pallida は非常に小型で、せいぜい直径4 cm程度にしかならない。しかし刺は白く大きく、拡大して見ると非常に美しい。(「白い悪魔」は葉型や刺の様子が異なり、別産地と思われる。)本品種は葉先近くまで刺が大きいのが特徴で、ステゴザウルスの尻尾の刺を思わせる。


H. ‘Hoshino Ōji’ 「星の王子」
 カクタスニシからH. lupula Wolfkloof として発売されたもの。太葉のリビダといった感じの品種で、大きくて鮮明な斑紋が非常に魅力的である。葉がより幅広である分だけリビダより評価でき、まだら系最優品の一つであろう。

 分類的にはH. lupulaかどうか疑わしく、H. maculata、あるいはH. maculataH. reticulataとの中間種、あるいはVillersdorpの新種などの可能性が考えられる。まず花を確認する必要がある。

 パリダ系にしては成長が遅く、まれにしか子吹しない。


H. "Joyce 1055” おそらく「星の王子」と同一。
 "Joyce 1055”としてEUから輸入されたが、斑紋や鋸歯の状態が「星の王子」とよく似ており、おそらく同一品種と思われる。したがって「星の王子」がJoyce Cocozaの交配種であるという可能性もある。この場合、「パッション」や「スパンコール」と同じく、パリダとピクタなどとの雑種である可能性が高い。もっとも交配種であるとしてもこの品種の斑紋の美しさに変わりはない。